英国における公共建築とPFIの現状
光井 裕二
建築研究資料 No.95, 2000, 建設省建築研究所
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<概要> |
財政支出の有効活用による社会資本整備の充実が、建設行政の重要な課題であり、公共建築物の建設、維持管理及び運営においても、民間の技術的能力、経営能力、資金等を活用した、より効率的かつ効果的な事業実施手法の調査・研究が必要とされている。
英国においては、1992年に導入されたPFI(Private Finance Initiative)と呼ばれる民間活力を活用した新たな事業手法による社会資本整備の取組みが進んでおり、建築プロジェクトとしても、刑務所、病院、学校などの分野で実績が上がっている。
PFIではこれまでの公共調達ではそれぞれ主体が異なっていた設計、建設、維持管理、運営を一体化し、役割及びリスクを官民で適切に分担することにより、施設整備の効率化が図られている。
本建築研究資料では、1)英国における公共建築物整備体制の変遷を明らかにするとともに、2)PFIの基本理念、調達手続き等を整理し、3)公共建築物におけるPFI適用事例についてとりまとめている。
特に、PFI活用の基本的考え方であるValue for Moneyの達成プロセスを明らかにすることにより、今後の我が国における公共建築物の効率的整備に資することを目的としている。
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