■建築研究資料 |
No.175号(2016(平成28年)11月) |
<概要> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(1)鉄筋コンクリート造構造部材の加力実験に関するデータベースの構築 現在の構造設計で使用されている部材の構造性能評価式の精度検証を目的として,既往の研究で実施された構造実験を調査し,普通強度材料および高強度材料を用いた鉄筋コンクリート造構造部材に関する構造性能についてのデータベースを作成した。対象とする部材は「梁・柱」,「袖壁付き柱」,「腰壁・垂れ壁付き梁」,「耐力壁」,「柱梁接合部」とする。 これらの実験データは,基本的には「日本建築学会構造系論文集」,「日本建築学会日本建築学会 構造工学論文集(以下,構造工学)」,「日本コンクリート工学協会 年次大会論文集」,「日本コンクリート工学協会 コンクリート工学論文集」の文献から収集した。対象期間は1975年〜2013年である。 (2)設計式の精度検証と適用範囲の検証 今回構築したデータベースを用いて,全国官報販売協同組合発行の構造関係技術基準解説書(2007年版)に記載の式および日本建築学会が刊行している規準・指針類に示されている設計式を用いて鉄筋コンクリート造構造部材の各構造性能について評価を行い,その評価精度について検討を行った。その際,データベースに入力されている実験の加力方法,試験体の形状,材料強度の範囲などの条件を考慮し,設計式の適用範囲についての検証も同時に行った。 なお,NAS(Network Attached Storage)システムを用いて,横浜国立大学にインターネットを介して管理可能なデータベースの構築を行った。具体的には,セキュリティーと堅牢性を併せ持たせ,RAID機能を採用した大容量ハードディスクを横浜国立大学内に用意した。システムは,インターネットを介してどこからでもアクセスすることが出来るようにし,基本的にはひとつのファイルを常に修正することで,バージョン管理を容易にした。また,これらのバックアップを建築研究所のサーバーに構築した。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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